ウイルソン『K-Blade Tour 93』のインプレ
今回はウイルソン、『K-Blade Tour 93』のインプレです。
ちょっと前に発売されたモデルですが、最近感心しきりなので記録を残しておきます。
元々ジョコビッチモデルとして発売されたモデルですが、今年からジョコビッチがヘッドに移行してしまったので、今ではなんとも中途半端な印象を受ける感じになってしまいました。
が、打ってみたら新しい発見が満載で、特にプロスタッフ85-6.0を使ってる方には大注目して頂きたいモデルです。
まずはスペックですが。
『K-Blade tour 93』
ヘッドサイズ 93sqin
重量 324グラム
バランス 310mm
フレーム厚 20mm
ストリングパターン 18×20
RA値 64〜66
こうして改めてスペックを見ると、ライバルは完全にヘッドのプレステージミッドなのでは?と思います。
がしかし、打つとこれがまた全然違う味わい、というか方向性のラケットで、個人的な印象ではどちらかと言えば『プロスタッフ85』のフィーリングを現代によみがえらせた感触なのです。
スペック的には全然プロスタッフ的ではありません。
密なストリングパターンも、フェイスの形状も、ボックス形状ではないフレームの断面といい明らかにヘッドのプレステージ的です。
でも、これが打つとやっぱりウイルソンのラケットで、プロスタッフを想起させるものなのです。
ウイルソンとしては柔らかめのフレームの感触が、クラシカルな印象を与えてくれて、最初は飛ばないとも思える感触が芯をくった時に激変し、まさにプロスタッフ的な印象を与えてくれるのです。
まあようは打球感が似ている、という事ですね。
個人的に感じたアップグレードした所ですが、まずはスピンの圧倒的なかけやすさ、次にフェイスが広がった事による安心感、次が飛びです。
打てば打つほど最近のラケットにしてはクラシカルなフィーリングで、自分のパワーでボールを飛ばせる、コントロール出来る、つくれる、とゆうのが最大のメリットでしょうね。
また、フレーム形状が流線型のためにスイングスピードがとんでもなく速く出来るというのもメリットでしょうか?
でも、実は打っていて感じたのですが、飛びがスゴくよくないわりに、あまりにスイングを速く出来るがためにスピンがかかりすぎてバウンド後のノビが不足する場面もあったので、これも善し悪しですね。
まあ、そうゆう意味でも使い手の力と技術が試されるラケットなのでは、と感じいりました。
プロスタッフユーザーからしたら、『KPS88』よりもこの『K-Blade tour 93』の方がはまるのではないですかね?
まあ重量の壁を乗り越えて『KPS88』を自在に扱える方は別として、平均的な筋力の日本人には『K-Blade tour 93』の方がはるかに『プロスタッフ85』から移行しやすいと思います。
かくゆう私も全然違うラケットだと認識していたがために今まで全く眼中になかったので、実際に打ってみたらまさに目から鱗でした。
さて、実際にコートで打ったインプレです。
まずはストローク。
ラケットは結構しなりを感じます。
そして、それが故にスピンがものすごくかかります。
飛びはそこそこ、普段ピュアドラとか飛びの良いラケットを使ってる方では全然飛ばないという印象になりそうですが、普段プロスタッフを愛用してる人ならば最適な飛びと思う事でしょう。
また球種ですが、どんなショットも自由自在です。
高い打点からのフラット系もいけるし、強くスピンをかけたスピン系までかなり幅広くボールを作る事が出来ます。
またコントロールの良さは特筆すべきポイントでしょう。
プロスタッフより少しは落ちますが、かなりピンポイントで狙う事が出来ます。
ただ、アングルショット的なものは打ちやすいですが、ヘッドのスピードプロと比べると打ちにくい印象でした。
まあ、ようは腕を磨けって事ですね。
唯一の欠点、というか私の腕のなさですが、試合中に怖いからってスピンをかけすぎると失速しやすいのでここは十分に注意が必要みたいです。
逆にしっかりと、ゆったりとした大きいスイングでボールを押してやれればかなりノビのある重い球が打てるようです。
次にボレーです。
球のノリがいいので、かなり打ちやすいです。
ただ、よくも悪くもかなり自分の技術が反映されてしまいます。
ある意味でスゴく忠実なラケットで、意思を反映してくれるという意味では最高でしょう。
ただ、一歩間違えるとあっさりミスしてしまう傾向もあるので、決して横着は出来ません。
ピュアドライブロディックはあてるだけでも相当にキレのあるボレーが打てますが、このラケットはしっかりと打ってやらないと威力のないボレーを打つのも容易です。
ただ、その反面とてもデリケートなので、ちゃんと扱ってやればタッチ重視のドロップボレーから、深く滑らす決めのボレーまで幅広く対応出来ます。
印象としてはサーブ&ボレーもとてもありなラケットだと思いました。
次はサーブです。
今回望外に良かったのが、このサーブです。
基本的にホールド感が高いので、フラット気味のサーブからスピンサーブまで幅広く、自信を持って打ちにいけます。
フラット気味に打った時は、こんなにパワーあったの?と思うほどにキレの良い速いサーブが打てました。
また、セカンドのスピンサーブもかなり跳ねさせる事が出来ました。
ただ、ここでもスピンのかけすぎには注意が必要です。
びびってスピンを強めにかけるとスピンばっかり強調されて、セカンドを思ったよりもあっさりと叩かれてしまいました。
自分はかなりしっかり打ってるつもりなのに!という感じで、このラケットのシビアさを思い知らされた側面もありました。
ストロークの時も感じたのですが、打球感がいいせいか、自分ではかなりの強いボールを打ったつもりでも、スピンをかけすぎると相手にとってはあまり脅威ではなくなってしまうらしく、なるべくフラット気味のボールを中心に展開させた方がいいみたいです。
まあ、ラケットに慣れてないだけかも知れませんが…
最終的な結論として、『プロスタッフ85』から移行したいけど次のラケットが見つからないという方には是非とも試して頂きたいラケットでした。
ラケット自体にあまりアシストはありませんが、逆にそこが『プロスタッフ85』ユーザーには嬉しい機能だと私は確信しました。
そういう意味で試合でラケットに多くを求める方には絶対におすすめ出来ません。
まずバボラ系のラケットの感覚が好きな方は絶対に避けた方が良いたぐいのラケットでしょう。
また、ヘッドのプレステージのウイルソン版的な印象を持っている方も避けた方がいいと思います。
意外や意外全然違うベクトルのラケットですから。
まあ強いて言えばヘッドの『スピードプロ』に似ているのかなぁ、という感じですが、これはきっとジョコビッチつながりでそう思わされてるだけかもしれません。
他に似たラケットが存在しないという意味では実に面白いラケットだと思います。
自分の手足の延長線上にラケットがあるという感触で、自分の力と技術でボールを作り、コントロールしていく楽しさは他では得難いものだと思います。
それも現代的なラケットの中では。
かなり好き嫌いの分かれるラケットだと思いますが、その存在意義は十二分にあります。
まあイマイチはまる人が少なさそうな印象も拭えないのですが…
確かに使いこなすのは難しそうですが、十分に試合でも使えそうだし、一風変わった特性のラケットを求める方、もしくは『プロスタッフ85』の味わいを現代のラケットで味わいたい方には絶対におすすめします。
ま、同じウイルソンなら、普通の方ならどう考えても『K-tour95』とかの方が絶対に楽にテニスが出来ると思いますけどね。
でも、それでも私はこれもありだと思います。
何より全ては打球感ですね。
最高です。


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